最近のテレビ録画機器はDLNAという規格に対応していて、LANに接続していればネットワークにつながっている様々なデバイスで録画した番組を再生することが可能です。
テレビ番組の録画データをネットワーク経由で再生する場合、映像データはコピーができないようにDTCP-IP(Digital Transmission Content Protection)という方式で暗号化されますので、再生機器がこの暗号化を解除する機能を持っている必要があります。つまりテレビ録画の再生にはDTCP-IPとDLNAの両方に対応した機器が必要です。
さらにデスクトップPC(ディスプレイと一体型でないもの)の場合は、接続するディスプレイがHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)という著作権保護方式に対応していないとダメです。DTCP-IP暗号を解除した映像が、暗号化のない状態でケーブルを通してディスプレイ側に流れては意味がないので、また違う方式で暗号化してディスプレイ側に流すというわけです。
HDCPはデジタル信号の保護技術なので、ディスプレイと接続するケーブルはD-Subのようなアナログ接続はダメで、HDMIかDVI-DかDisplayPortのケーブルで接続するという条件もクリアする必要があります。なんと面倒くさい。
で、Windows標準のメディアプレイヤーはDLNAには対応していますが、DTCP-IPには対応していません。なので、標準のメディアプレイヤーでは、デジカメやビデオカメラで撮影したデータを録画機器に入れてネットワーク再生することはできても、録画したテレビ番組は再生できないのです。
これまでWindows8やWindows10にバージョンアップする度に、メディアプレイヤーがDTCP-IPに対応するのではないかという噂がありました。が、結局Windows10になっても対応していません。DTCP-IPは日本のメーカーが決めた方式なので、世界を相手に商売をしているWindowsが対応しないのも仕方のないところです。
ではWindowsで録画したテレビ番組を見られないかというと、そんなことはなくて、DTCP-IPに対応した再生ソフトを購入してインストールすれば見られます。フリーソフトは存在しません。暗号化を解くプログラムはライセンス料を払わないと使えない上、暗号鍵を漏らしたら「10億円の罰金」というお仕置きがあるので、フリーで作成するのは無理だと思います。
再生ソフトの種類は多くなく、これまではSoftDMA2、DiXiM Digital TV Plus、Station TV Linkといったソフトがありました。いずれも4~6千円します(最近もう少し値下げされているようです)。全てお試し版を入れてみましたが、再生できなかったり、もっさりした動作でとても買う気になれませんでした。
で、久しぶりにソフトを探してみたところ、新しいものが発売されていました。
それが、sMedio TV Suite for Windowsという製品です。
マイクロソフトストアで購入するアプリで、Windows8.1以降が対象です。Windows10にも対応しています。
さっそくお試し版を入れてみました。ストアからインストールしますが、そのインストールだけだと、ダビングユーティリティをホームページからダウンロードして入れる必要があるとのエラーメッセージが出ます。ただ言われた通りユーティリティをインストールすればちゃんと動いて、非常にサクサクと軽快で高速です。これなら使えそうということで製品版を購入しました。
通常1900円ですが、2015/12/25まで1400円の年末セール中です。
今年4月発売当初は先着100名は500円、101~300名まで900円で売ってたらしいです。
ModernUI対応アプリなので、Windows8.1ではデスクトップのウィンドウ内には表示できず、全画面表示か、デスクトップと分割表示になります。Windows10ではウィンドウ表示です。
ようやく2階にある日立のWoooで録画したTV番組を、リビングのデスクトップやノートPCで見ることができるようになりました。
ちなみにマイクロソフトアカウントでログインすれば、どのPCでもアプリを使うことができるようなので、PC台数分アプリを購入する必要はないようです。
GTX950でsMedio不具合に遭遇