今日はBBQをしたかったがあいにくの雨と風で無理だった。暑さと蚊のいない、冬になる前のこの時期はBBQには非常に貴重。と書くとアウトドア派のイメージだが、まともにBBQができるようになったのは、つい2年ほど前のこと。実はここまでくるには10年以上の歳月がかかったのである。
--
10年も遡るので少し長くなりそうな予感…暇だったら読んでください。
たまにBBQなんかに参加すると楽しいし、外での食事はおいしい。しかし、自分でやるとなると、でかいコンロやら炭やらはもちろんのこと、日除けのためのタープなど大量のグッズが必要となるし、準備や後片付け、これらを買った後の置き場所など、考えただけで超めんどくさ…。車もなかったしね。
ところが、ある夫婦の新居にお邪魔した際、近くの公園で昼食ということになったのだが、手荷物程度の持ち物からスチール製の七輪を取り出して、炭火焼き鳥とモツ煮込みをご馳走してくれたのだ。
外で炭火を使っておいしいものが、こんなに手軽にできるなら…。これが始まりだった。さっそくホームセンターで似たようなスチールの七輪を購入。そして、
「炭と言えば備長炭でしょう!」
遠赤外線でジューシー、という箱の文句しか目に入らない。全くの素人だ。帰宅してさっそくマンションのベランダでBBQ。荷物を持ってでかけなくても自宅で楽しめる。なんと素晴らしい。
七輪の中に炭とその下に丸めた新聞紙をセッティングし、チャッカマンで火をつける。
が、いっさい炭に火はつかず
「どういうこと?」
さっぱりわからない。誰でも簡単にできると思っていたのに。調べようにも当時インターネットはまだやっと常時接続が始まったころ。ホームページを開設してHTMLを書いて炭の起こし方を紹介してくれるアウトドア派など、滅多にいるものではない。アウトドアとインターネットなど正反対の領域だ。少ない情報からわかったのは、備長炭は炭の中でも火起こしが非常に難しいということ。買った炭は硬くて金属的な音がするくらいのもので、新聞の火くらいでは色も変わらない。
その日は串にさした焼き鳥をフライパンで焼いて食べるという悲しい結末に。
--
その後、インターネットでひたすら情報収集。たどり着いたのは茶道のページ。火起こし器という鋳物に備長炭を入れ、ガスコンロで炭を起こすらしい。これなら一発じゃん。
火おこし器はどこにも売ってないかったので、魚焼き網を買ってきて、上に備長炭を並べてガスコンロ点火。「すげー。赤くなってきたじゃん。」と思ったら、
バーン!!!
爆音と共に粉々になった炭がキッチン一帯に飛び散った。
「なに!?……怖すぎ。これは無理。」
爆跳という炭の中のガスや水分が一気に爆発する現象らしい。
この日も失敗で、またフライパンで焼いて食べた。
--
3度目の正直という言葉がある。備長炭は諦めて普通の木炭を買ってきた。またベランダに七輪を置き点火。
煙がハンパない!
これは近所迷惑である。消防署に通報されかねない。
木炭でも無理なのか。またフライパン串焼き鶏?悔しいので今度はコンロの魚焼きグリルで焼いてみた。焼きながら食べたいので、狭いキッチンにテーブルを持ち込んで。串は全部燃えたが、少しうまい。でもこんなことがやりたかったのではない。
--
いろいろ考えたが、煙が平気なところ、やはり屋外でチャレンジするしかない。
折りたたみテーブルを購入して、自転車に食材と七輪、木炭を積んで公園へ。
今度は着火剤も購入。あのモナカみたいなチャコールブリックというやつ。
これでできなきゃ諦めよう。なんか結構荷物も増えたし。全然手軽じゃない気がする。
人のいない川沿いの芝生で木炭を七輪にセットし、着火剤に火をつける。
煙よ、いくらでも出るが良い。
「火が出ているうちに、早めに焼きに入ってしまおう。」
初めて七輪で鶏肉の焼ける匂いをかげた。
炭火焼き鶏がご賞味できる日がとうとう来たか(涙)。
しかし、その後炭が起きることはなく、着火剤の火でかろうじて串2本分に火が通ったか
どうかというところ。
味わうどころか、
生かどうか確認している時間の方が長かった。
大量の生焼き鳥を持ち帰り、フライパンで焼く。
引退だな…(デビューしてないけど)。
炭を起こせる気がまったくしない。さすがにやる気がゼロになってしまった。
炭を起こせる人たちは偉大なんだ。きっと伝承された技術とコツが必要で素人には無理なんだ!
※2年前になって気づいたのだが、実は七輪の使い方が間違っていて、
炭の下から全く空気が入らない状態で使っていた。説明書がなかったんだよぅ…。
ここまでは挫折編。野望復活編へとつづく(読んでくれる人いるのかなぁ)
明日はBBQできるといいけど。
--
BBQ/野望篇(続き)へ